スペック厨になるな!UA値では測れない快適要素
こんにちは家フクロウです。
なるべくローコストで高性能な自宅を建てたい。そのためには施主が勉強することが大事だという考えで情報収集をしています。
家の性能を語るのにはUA値が基本
高性能住宅を語る際、まず指標となるのがUA値。住宅の窓、壁、天井など、外皮から逃げる熱量の面積あたりの平均値ですね。高ければ熱が逃げやすい、低ければ熱が逃げにくいということで、温熱環境の上で快適な家を建てるためには、UA値を下げることを目標とされることがほとんどではないでしょうか。
国の断熱等級の基準でもありますね。現在の最高等級である断熱等級4の上に、5〜7が新設される予定ということになりそうだということで、話題となっています。
断熱等級に6・7新設 水準はHEAT20・G2、G3相当 | 新建ハウジング
しかし一部の実務者からは、施主がUA値のみを気にすることを「スペック厨」と揶揄する声も聞こえてきます。それはなぜでしょうか?様々な要素がありますが、調べた範囲でまとめてみたいと思います。
UA値だけ見ていると取りこぼす快適要素いろいろ
1.窓からの日射取得
網戸を取り除き、窓ガラスを拭く。
— オガスタ新潟の相模社長|工務店による住宅革命の震源地 (@m_sagami) 2021年11月30日
そして扇風機で風を当てると、
暖房器具になる。
網戸つけてる人、外した方がいいよ。
窓の表面が温まります。 pic.twitter.com/Xng16D1sY3
高性能な窓でも壁よりは断熱性能は劣るので、窓を少なくすればするほどUA値は上がる。しかし窓からは無償で利用できるエネルギーである太陽光が得られるため、それを利用するとUA値が悪化しても快適性は改善することになる。
2.建物の外皮面積
UA値は単位面積あたりの熱損失なので、面積が増えれば当然、その分だけ熱損失も増える。大きな家と小さな家では、当たり前だが前者の方が熱損失は大きくなる。
また、家の面積が同じでも外皮面積は異なる場合がある。
同じ面積(坪数)の家でも、真四角から遠ざかるほど外皮面積は増加するので、UA値が同じでもその分熱損失は増える。
UA値の計算に含まれない要素はいろいろある
外皮性能の部分でも、UA値の計算に含まれない要素はいろいろとある。
・基礎断熱の断熱材が敷かれない基礎底面
地中は外皮ではないということらしいが、住んでいる人によると違いは感じるらしい。全面に断熱材を敷いている工務店もある模様。
・柱の熱橋
断熱材は柱と柱の間に挟むので、当然ながら柱や筋交いの部分の断熱性能は断熱材が充填されている部分に劣る。しかしUA値の計算ではそこは考慮しなくて良いことになっている。
付加断熱すると柱、間柱のほぼ露出が覆われることになるので、実質ガクンと変わります。外壁の約16%が構造材ですので、それだけ熱が逃げますよね。ただUa値の計算ではこれ反映されません。サーモカメラで見ると家の角、柱から抜けてるなぁ、とわかります。
— 藤川です。工務店のおっちゃん (@sakura_kenchiku) 2021年11月20日
実務者曰く、付加断熱(外張り断熱)をするとかなり違ってくる模様。
考えることが多い
家電のように、単一の指標だけで性能を測ることができないのは住宅の難しいところ。
上記の諸々は高性能住宅を建てている工務店と家造りをすれば考慮してもらえると思うが、当然ながらそういった工務店の建築費用は高い。
費用を抑えた高性能住宅づくりには、施主が勉強を重ねた上で量産型ビルダーに詳細な依頼をすることが、一つの選択肢になるのではないかと思う。